HARAPPA
HARAPPA
HARAPPAは株式会社はらっぱが展開するブランドで、会津木綿(あいづもめん)を使った衣服やバッグ、ポーチなどを製造・販売しています。
糸を染色し、織って生地にするところから自社で手掛けています。
HARAPPAの始まり
『株式会社はらっぱ』の原点は、会津若松で120年にわたり会津木綿の暖簾を守り続けてきた原山織物工場にあります。

代表が急逝したことを受け、原山織物工場の技と精神を受け継ぐかたちで『株式会社はらっぱ』として新たなスタートを切ったのです。
一度は閉鎖を余儀なくされましたが、原山織物工場の会津木綿を使って服作りを行っていたヤンマ産業の代表・山崎ナナの強い想いが創業家の心を動かし、先代社長の従兄弟である小野太成氏とで『株式会社はらっぱ』を立ち上げました。
原山織物工場が120年にわたり育んできた"ものづくりの姿勢"を受け継ぎつつ、次世代へとつなぐための事業展開を心がけています。
伝統工芸は、後継者不足や需要の低下により姿を失いつつあります。かつては市内に数十件あった会津木綿の織元も、今では昔から続く織元は 『株式会社はらっぱ』を含めてわずか2件だけになりました。しかも、糸の染めから一貫して会津木綿を作れる工場は、会津のなかでは『株式会社はらっぱ』が唯一となっています。
そんな中で、古き良き技を守りながら新しい価値を生み出す『株式会社はらっぱ』は、日本文化を支える貴重な存在になっているといえるでしょう。
ヤンマ産業(YAMMA)とは
『株式会社はらっぱ』の代表である山崎ナナ氏は、ヤンマ産業の代表でもあります。
ヤンマ産業と同時に立ち上げた「YAMMA」というアパレルブランドでは、「長く使ってほしい」という山崎氏の想いから、丈夫で洗濯がラクな生地を選び、服作りを行っています。
はじめは麻やオーガニックコットンを使っていましたが、会津木綿と出会ったことでその魅力に惹かれ、会津木綿はYAMMAを象徴する素材となりました。
こうした背景のもと、会津木綿の工場を引き継ぐなかで誕生したのが、HARAPPAという新しいブランドです。
会津木綿はどんな生地?

会津木綿(あいづもめん)は、徳島県西部に位置する会津地方で、400年以上にわたって受け継がれてきた伝統工芸品です。
特徴は、糊付けした「経糸(たていと)」に横糸を織り込む独特の製法にあります。糊付けによって糸の間に空気の層ができるため保温性が高く、吸湿・吸水にも優れているので速乾性もあります。
もともとは、夏は暑く冬は寒い会津の盆地気候に合わせて発展してきた素材で、一年中着られる野良着(仕事着・日常着)として親しまれてきました。厚みがあり丈夫であること、それでいて乾きやすいことも、野良着として重宝された理由です。
織物は繊細で手洗いが必要な場合も多い中、会津木綿は縮みにくく、家庭用洗濯機でも洗えるため、日常的に気兼ねなく使えます。また、最近の会津木綿は色褪せしにくい染色が施されており、購入時の色合いを長く保てるのも魅力です。
糊付けされているので最初はごわっと硬めの手触りですが、使い込むほどに柔らかくなり、最後にはトロトロの質感へと変化していきます。かつては新品は野暮とされる美意識もあった日本。レザーやデニムの経年変化を楽しむように、会津木綿も使い込む楽しみが味わえます。
会津木綿ができるまで
HARAPPAの会津木綿づくりは、まず糸を染めるところから始まります。そして、染め上げた経糸に糊付けを行います。
完成した糸を使って「整経」と呼ばれる工程へ。これは経糸を並べていく作業で、配列によって模様が変わるため、一本ずつ手作業で丁寧に機械へ通していきます。

準備が整ったら、100年以上前に発明された自動織機を使って布を織り上げていきます。最新機のようなスピードはありませんが、ゆったりとしたリズムで織ることで、会津木綿ならではの強さと美しさが生まれます。

山崎氏のものづくり
HARAPPAで販売するアイテムは、YAMMMAと同じく受注制を基本としています。
その背景には、山崎氏がYAMMAで大切にしてきた「長く使えるものを届けたい」という想いがあると考えられます。
服作りを自分で行うと時間がかかり、価格もどうしても高くなってしまいます。一方で、工場に頼むと最低ロットの制約があり、半端な数量は作れないため無駄が出てしまいます。
そこでYAMMMAでは、デザインは自分で手がけ、縫製は近所のおばあちゃんにお願いするという仕組みを築きました。
当初は売れ行きの良いベーシックカラーを中心に作っていましたが、たまに黄色やピンクなどの色物が混ざると、おばあちゃんたちが「キレイな色!気分転換にいいわね~」と取り合いになることがあったそうです。その様子を見て山崎氏は、「もっといろんな色を楽しみたい人がいるのでは」と思いつきました。工場では半端な数は頼めませんが、おばあちゃんたちは楽しみながら作ってくれます。この体験をきっかけに、受注会という形でお客様の要望を直接聞くスタイルに変わりました。
とはいえ、受注スタイルはお客様をお待たせしてしまいます。そのため山崎氏は、一時的に流行するデザインではなく、どの年齢になっても気持ちよく着られ、長く愛着を持てるデザインを心がけているそうです。
「長く使ったモノは、ながく使ったコトになる」
山崎氏は、モノを長く使う経験は自分の自信につながると考えています。この経験を支えるために、YAMMMAでもHARAPPAでも、丈夫で長く使ってもらえるような製品作りを大切にされています。
伝統工芸品を身近な存在に
「伝統工芸品」と聞くと、どこか特別なもののように感じる方も多いかもしれません。
しかし、HARAPPAで作られる会津木綿やアイテムは、現代の暮らしに馴染むデザインになっています。伝統工芸も、日常の中で気軽に楽しめる身近な存在なのです。
例えばHARAPPAのショルダーバッグは、シンプルでちょうど良いサイズ感のため、普段使いにぴったりです。英国紳士のスーツをイメージしたストライプ柄は、和装にも合うような幅感に仕上げられています。洋装にも和装にも、装いを選ばず使えるデザインです。

小物であれば、伝統工芸を取り入れるハードルもぐっと下がります。バッグに入れるアイテムなので、少し遊び心のある柄を選ぶのも楽しいでしょう。
このポーチは山のようなカーブを描くデザインで、出し入れもスムーズ。使い勝手の良さも抜群です。

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