笹野一刀彫
山形県・米沢市
一本の刀が生む、米沢の木彫工芸
山形県米沢市笹野地区に伝わる笹野一刀彫は、サルキリと呼ばれる大きな刃物一本で木を削り出す伝統技法です。材料には、この地で《アブランコ》と呼ばれるコシアブラの木を使い、その柔らかさが生む美しいカールと素朴な風合いが特徴。代表的な「お鷹ぽっぽ」は、江戸時代に米沢藩主・上杉鷹山が農民の冬の副業として奨励したことにはじまり、魔除けや“禄高が上がる”縁起物として親しまれてきました。野趣あふれる力強さと温かみのある造形は、今も米沢の暮らしと文化を伝え続けています。
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